
アプリ開発の展望と課題

2012年には40%未満だったスマホ人口も、2016年には70%を超えると予測されている日本。
今後ますますスマホに特化した企業の躍進は続いていくでしょう。
端末は勿論ですが、見逃せないのがアプリやWebサービスの開発です。
今までアプリ開発エンジニアにとって、どの企業も広く門戸を開けていました。
- 開発エンジニアの高待遇
- 学歴不問
- 未経験者歓迎
- フレックスタイム
- 完全週休2日

スキルの高い優秀なエンジニアは行ったその場で即採用となって働く事もあったはずです。
まさに時代が求める人材としてもてはやされていました。
しかし2011年以降、じわじわとエンジニアの需要に翳りが見られます。

一体その理由はなぜなのか、今回は、今後のアプリ開発エンジニアの課題と展望について考えてみましょう。
アプリの需要

スマホにしろ、webにしろ、アプリの開発は今後も需要は続くでしょう。
アプリ開発に必要なC、C++、java、PHP、Ruby、Perl等のプログラム経験の他に、2010年末に登場したAndroid技術者認定試験といった新しい資格を持っているとキャリアアップの足がかりになります。
そして今後流行るであろうアプリの研究、企画、ターゲット層の絞り込みといった一見エンジニアには関係ないようなビジネススキルを磨く事も大切です。
アプリの需要は日本のみならず世界規模で拡大していきますから、TOEICはエンジニアに関わらず必須条件になるでしょう。

エンジニアの将来性
2014年から始まった、世界中のエンジニアに仕事を発注・受注できるサービス「セカイラボ」。
中国やタイ、ベトナムといった人件費の安い国のエンジニアに対して、日本語で仕事を依頼できるのが特徴です。

「セカイラボ」を運営するのはゲーム開発や音楽配信事業を行っているモンスター・ラボのグループ会社です。
シンガポールを拠点におよそ8カ国、1000人、200チームの受注体制を構え、大手企業からの大規模な新規事業も受注できる態勢を整えています。
発注料金は、日本で1人月70~80万円くらいかかる人件費が、海外エンジニアの場合は10~18万円程度に抑えられるのが特徴です。

今後「セカイラボ」の様な会社はどんどん増加していくでしょう。
エンジニアも仕事の視野を国内よりも世界に向ける時代がやってきました。
勿論日本では国内の開発エンジニアの数はまだまだ少ないのが現状ですが、人件費を安く押さえられる外国人によって、あっという間にパイを埋められてしまう可能性もあります。
「安かろう悪かろう」のイメージがある、システム開発や運用管理を海外事業者に委託するオフショア開発のメリットは、安価な労働力を大量に確保出来る反面、作られる商品にクリエイティブさがなく、面白みが無いというデメリットがありました。
日本人エンジニアが生き残るとすれば、このデメリットの分野を攻めるしかないでしょう。
オリジナルな作品を生み出す柔軟な思考を養い、海外開発でカバー出来ない部分をサポートする。
エンジニアとして生き残るには、こういったサポート力を磨く必要もありそうです。

エンジニアの難しさ

IT業界ほどめぐるましく技術が向上する分野はないかも知れません。
勉強につぐ勉強、常に新しい知識を取り込む必要があります。

そして根強くささやかれる『35歳定年説』を生き残る為には「フルスタックエンジニア」と呼ばれるほど幅広いスキルが必要になります。
今後エンジニアに求められる能力は「市場のニーズに合わせた開発技術」だけではなく、設計と製造、改修といったマルチタスクが必要になるはずです。

貪欲な海外エンジニアに負けない高い技術力を持つだけでは生きて行けません。
少人数で素早く全てのプロダクトができる人間になる事が最重要課題といえるでしょう。
プログラミングやアプリ開発の学習は、確かに簡単ではありません。
しかし、スポーツや楽器と同様に、幼いうちから学び始めれば、大人になったときに国内だけでなく海外のエンジニアにも負けない、汎用的かつ高度な技術を身につけられます。
小中学生のお子様がいらっしゃる場合には、プログラミングの習い事をぜひ検討してみてください。
お子様と一緒にプログラミングの勉強に励んでもよいかもしれません。
特に「Webサービス」や「iPhoneアプリ」といったジャンルは少し知識があれば比較的取り組みやすい分野ですから、日本人エンジニアにとって死活問題になる分野かも知れません。